5分でわかる!水元公園 約700年の歴史

水元公園の歴史
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2025年で開園60周年を迎えた水元公園。独特な形をしたこの水元公園、さかのぼること700年前にその原型がありました。一緒にたどってみましょう!

最古から現代までの流れ

700年前の室町時代、「小合溜」の「小合」は「小鮎」だった!

水元公園の中心には「小合(こあいだめ)」もしくは「小合溜井(こあいだめい)」と呼ばれる大きな池があります。これはもともと江戸時代の河川事業(川の氾濫防止のため川の流れを変えたり、統合したりする大規模・長期間にわたる工事)により廃止となった川で、埋め立てにより農業用水池として作り変えられたものなのです。
そしてこの「小合」という名前は、用水池が広く接していた「小合村」にちなんだものでした。この「小合」の史料への登場は15世紀頃ですが、さらにさかのぼる室町時代の14世紀の資料には「小鮎」としての表記が見られることから、もともと「小鮎」という名前で存在した土地が「小合」に変化したのだろうと言われています。鮎がよく獲れる場所だったのでしょうね。

水元公園トリビア
「小合」の歴史は古く14世紀頃は「小鮎」と呼ばれ、そこから転じて「小合」となったらしい。世が世なら「小鮎溜井」だったかも⁉

300~400年前 河川敷から耕作地へ! 小合溜井の誕生

1729年東葛西領上之割用水絵図(右端の「下小合溜井」とあるあたりが現在の水元公園あたりと思われる)葛飾区登録文化財より

さて独特な形をした水元公園。この一体は、江戸時代に入ったころは古利根川(現在の中川)から現在の閘門橋あたりで分派し現在の江戸川方面へ流れる川の河川敷でした(現在水元公園をぐるっと囲む「さくら堤」(桜並木のある公園の外周)は当時その堤防だったのです!)

徳川第三代将軍・家光(在職:1623年 –1651年)の時代の江戸川改修事業(河川同士をつなぎ流れを変える工事)によってやがて古利根川が廃止。それを受けて流域にあった小合村が江戸幕府の許可を得て河川敷を埋め立てて耕作地としました(川が完全にせき止められるのはさらにこの後です)

水元公園トリビア
公園一帯はもともと河川敷で、公園を囲む桜並木の道が堤防だった! かつての小合村の人たちががんばって埋め立てて耕作地にしたらしい

古利根川(ふるとねがわ)とは
現在の利根川は関東の北から東へ流れ、茨城県銚子市の東端から太平洋に注ぐ一級河川ですが、実はもともと東京湾に流れ出るものでした。遡ること江戸時代、複数の河川の瀬替えや分離、統合等の事業がおこなわれ、利根川の流路は現在のような太平洋へ続く形になりました(江戸入りした徳川家康が1590年頃からスタートさせその後1654年に完了。60年かけた大事業「利根川の東遷」と呼ばれています)
これによりかつての利根川は古利根川(現在の川の名称としては大落古利根川(おおおとしふるとねがわ))と呼ばれるようになり、現在の利根川水系中川の支流になりました。

その後1729年、徳川第八代将軍・徳川吉宗の時代に、幕臣・井沢弥惣兵衛(いざわやそべえ)が、この川の古利根川からの入り口、および江戸川方面への出口、この二つを完全に塞ぎ、遊水池としたものが小合溜井の原型です。当時流域にあった上小合村、下小合村に多く接していたため「小合溜」と呼ばれるようになりました。ちなみに当時の地図にうっすらと現在の水元公園の姿を見ることができます。下に飛び出た現在の内溜め池あたりから灌漑用水が流れ出て、広く田畑を潤した様子が想像できますね。

水元公園トリビア
公園一帯はもともと河川敷で、現在公園を囲む桜並木の道が河川の堤防だった! 400年前ほどに堤防内側をかつての小合村の人たちががんばって埋め立てて耕作地にしたらしい。その後スゴ腕の治水家・井沢弥惣兵衛が川の入り口と出口をちょん切って、公園中央の大きな池「小合溜井」を作ったらしい

100年前 神武天皇を祝い公園化事業がスタート

その後第二次世界大戦の戦時下、1940年に「紀元2600年記念事業」(神武天皇即位紀元2600年を祝った一連の行事)の一環で「水元緑地」として公園化計画が始まりました。下の写真は土地買収が進められている途中で、後の中央広場にあたる場所にはまだまだ畑の区画が見られます。

水元公園トリビア
小合溜井を中心に公園を作ろう!となったのはなんと第二次世界大戦の真っただ中だったらしい。しかもプロジェクトスタート当時は「水元緑地」という名前だった!

終戦後20年、ついに水元公園が完成!

さらに整備はすすみ、戦後20年、事業開始から25年経った1965年、ついに「水元公園」として開園しました。さらにその2年後、「明治百年記念公園」(明治政府開始から100年の記念行事の一環)の指定も受け、記念広場やメタセコイアの森が作られるなど、さらに整備が進みました。ちなみに開園日は4月1日です。誕生おめでとう、水元公園!

水元公園トリビア
水元公園は公園造作計画から開園まで25年もかかった!

そして現代へ

中央広場が出来ており、現在とほぼ同じになっているのが分かります。

そして現代の姿を向かえます。

水元公園トリビア
水元公園は2025年4月1日で60歳を迎えました! 日本中から愛される公園に育ちました!

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